アスペルガー症候群について-カウンセリング/神奈川県川崎市/ピース・アンド・ホープ カウンセリングセンター




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              第4回   アスペルガー症候群について

 
  ※DSM-5では、「アスペルガー障害」という診断名はなくなっております。



 アスペルガー障害は、言葉や知的な問題は見られませんが、対人関係、社会性などにおいて困難を感じやすい特徴のある発達障害です。最近(※2012年現在)は特に教育現場などでも注目されています。

 人は一般的に、他者の仕草や雰囲気から多くの情報を集め、相手の感情や認知の状態を読み取ることが多いと思われます。アスペルガー障害を抱える方々はこうしたことが苦手であり、他者の心を読み取ることに困難を感じる傾向があります。(そもそも「空気を読む」ということは難易度が高い特殊な技能であると考えられます)。そのような、仕草や状況、雰囲気から他者の気持ちを読み取るのが苦手な傾向がある方々は、相手がほほ笑む様子を見ることはできても、そのほほ笑みが何を意味しているのかを理解することに困難を感じる傾向があります。また、対人コミュニケーションの局面において、表情やボディーランゲージなどを手掛かりとして、そのニュアンスを読み取ることに困難を感じることが予想されます。すなわち人が直接的に口に出さなければ、その人が何を意図しているのか理解することが難しいといえます。その一方で、この種の能力は個人差があると考えられるため、表情や他人の意図を読み取ることにさほど不自由さを感じない方もおられます。

 また、しばしばアイコンタクトが困難な傾向があり、そうしたことをほとんど行わない方もおられます。その一方で、他人からすると違和感を覚えるほど、その人の目をじっと見つめる人もおられます。アイコンタクトなどにおいて、相手から発せられるメッセージを理解しようと努力しても、こうした障害のために相手の心の解読が困難なことが多い場合もあります。例えば、初対面の人にあいさつをする前に、社会的に受け入れられている通常の手順で自己紹介をするのではなく、自分の関心のある分野について、長々と話し続けることもあります。

 アスペルガー障害には、「言葉を額面通りに受け取る」や「些細な事にこだわる」といった特徴もあります。しかしそういった特徴も見方を変えると、客観的な事実を正確に理解して表現することに長けているともいえます。また、「厳正に規則を守る」という強みとして捉えることもできます。

 アスペルガー障害の方は少数派である為、多数派とされる人々と思うようにコミュニケーションを取れない、あるいはコミュニケーション方法の違いを理解されないという問題が、社会生活での障壁となりやすいと考えられます。教育の場である学校などにおいても、今後はサポート体制の確立や主体的な選択にもとづく生活のために必要な支援、他の子どもへの理解を深めさせる教育、といった総合的な支援策が必要となるでしょう。

 障害の度合いや現れ方などは、人によって様々です。また、社会のあり方にも影響を受けます。お悩みの方は是非、当カウンセリングセンターにてご相談ください。

      



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