レジリエンスについて-カウンセリング/神奈川県川崎市/ピース・アンド・ホープ カウンセリングセンター




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            第33回   レジリエンスについて

 
  



レジリエンスについて

 「レジリエンス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?もともとは「ストレス」とともに物理学の用語で「ストレス」は外からかかる力によって歪みを生じた状態、「レジリエンス」はゆがんだ状態から元に戻そうとする力を表すそうです。柔らかいボールを手で握るとへこみますが、しばらくすると元に戻ります。このボールを元の形に戻そうとする力がレジリエンスです。元に戻そうとする力の意味から派生して心理学においては、困難な体験で傷ついた心理状態から回復する力のことをレジリエンスと呼んでいます。ゆがんだ物が元の形に戻るように、気持ちがへこんでもへこんでいない状態に戻る様子をレジリエンスと表現するようになったのです。
 回復力とも呼ばれているレジリエンスは、生きていく過程で身につけることができることが分かっています。では、どうしたらこのレジリエンスを身につけることができるのでしょうか。研究により明らかにされていることによると、自分の気持ちに素直になる、ストレス状況の悪い側面だけでなく良い側面も見つけ出そうとする、自分の意志で変えられることに目を向ける、「自分はこうしたい」という思いを大切にする、他の人との関わりを大切にする、十分な睡眠、適度な運動、バランスの取れた食事、などがレジリエンスを身に着ける上で大切であるそうです。
 例えば体調を崩して仕事を休まざるを得なくなった時に「休んだことで今までやってきたことは自分に合っていたことなのか考えることができたかも。」と考え、自分のやりたいと思うことを楽しみ、休養を十分に取り、誰かに助けを借りながら新たに進む方向を見つけ出せたりすると回復力がどんどん高まってくるということになります。やはりここで大切なことは、回復しようという意思を持つことのように思います。とは言っても、傷ついた状態の時に回復しようという気持ちにはなれないこともあるかもしれません。そんな時は一人で抱え込まず、カウンセリングを利用してみてください。カウンセラーは誰もが持っている回復しようとする力を引き出し高めていくお手伝いをします。
 
※参考文献 石垣琢磨【編】(2017)臨床心理学110.金剛出版
 


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