怒りについて-カウンセリング/神奈川県川崎市/ピース・アンド・ホープ カウンセリングセンター




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            第30回   怒りについて

 
  



怒りの役割

 怒ったことで、「相手と気まずくなった」「職場の居心地が悪くなった」などと後悔した経験はありませんか?「怒りっぽいのをなおしたい」と思う人もいるかもしれませんね。
 いっぽう怒りには、自分や仲間を攻撃してくる相手を威嚇して引き下がらせたり、財産や大切なものを守ったりする働きもあります。怒りを表現することで、相手は「この人はとても強く嫌がっている」と理解し、周囲の人は「何かしなくては」と気づくことができるのです。怒りは人間に備わった大切な感情のひとつで、なくすことはできません。上手に付き合っていきたいものですね。


怒りの表し方
 怒りを抑え込むだけだと、些細なことがきっかけで我慢の限界を超え、目の前の相手に今までため込んでいた分の怒りまでぶつけてしまう事になりかねません。適切な怒りの表し方を学ぶには、自分も相手も尊重するさわやかな表現を身につけるアサーショントレーニングという方法があります。またアイメッセージといって、「あなたが○○したのが悪い」と責める代わりに、「私が〇〇で困っている」などのように自分を主語にする言い方をするだけでも、相手が受け取りやすくなるものです。



怒りのコントロール 
 「怒っている自覚はなかったのに。気がついたらキレていた」という人は、自分が今どんな気持ちか「悔しい」腹が立つ」などの言葉で表現するところから始めます。どの段階で対処すれば爆発せずにすむのか把握するには、「怒りの温度計」や「怒りの火山」などの視覚的なツールを使います。気持ちを落ち着けるためには、ひとりになれる静かな場所に行く(クールダウン)、手や顔を冷たい水で洗う、他の人に話を聞いてもらうなども効果があります。その場を動けないときは、森の中や自分の部屋など落ち着ける場所にいることをイメージします。禅の瞑想の考え方を取り入れたマインドフルネスも注目されています。特定の人だけに無性に腹が立つ、普段は穏やかなのにあることに関しては冷静にいられないといった場合には、カウンセリングが有効な場合もあります。



環境に働きかける
 長時間労働やパワハラなど環境の方に問題がある場合は、交渉して環境を変えたり、そこから離れることも必要になります。個人では対処できない場合には、制度や法律に詳しい専門家に相談します。渦中にいる人は、自分が直面している事態が怒っていいことなのか、誰かの助けを借りるようなことなのかわからなくなっていることも少なくありません。まずは身近な信頼できる人に話すことから始めましょう。


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