いじめの解決法と人間関係の悩み-カウンセリング/神奈川県川崎市/ピース・アンド・ホープ カウンセリングセンター




                      TEL/FAX : 044-822-6888





              第25回   いじめの解決方法と人間関係の悩み

 
  


 ノルウェーはいじめを解決した国と言われています。それは「学校裁判所」という、先生や生徒によってえらばれた仲裁員が、もめ事起こした生徒たちと話し合いをする制度があることが大きいそうです。事実だけを言う、相手を非難することを始めない、相手を理解しようと努力する、などのルールに従って仲裁員は話し合いの交通整理だけをし、提案や裁定はしないそうです。そうして話し合いをするうちに、もめ事を起こした生徒たちは、自分だけでなく相手も傷ついていることに気がついていくそうです。そして、問題を解決するにはどうするかを仲裁員を交えて話し合い、合意書を作成し、その通りになっているか時間をおいて当事者と仲裁員で確認するのだそうです。この制度は誰かに罰を与えるわけでもない、情状酌量するわけでも、あるいは見てみぬふりをして放置するわけでもない、自分で起こしたことには自分で解決する責任を持つように導く「修復的対応」という考え方に基づいているそうです。

 いじめをいうと子どもが起こすこと、というイメージがあるかもしれませんが、「学校仲裁所」は人間関係の悩みにも応用できそうです。もし、自分の身近な人たちがもめ事を起こしていたら、アドバイスや教訓を言わず両者の話を聞いて、話を整理する。そして、両者の気持ちが落ち着いてきたら一緒にどうしたらいいか考える。自分が当事者で身近に「仲裁員」がいなかったら、少し大変かもしれないけれど、自分が仲裁員役もやってみるとよいかもしれません。まずは、何かに自分の気持ちを思うがままに書いてみる。

 それを少し時間を置いてから仲裁員の立場で読んでみると、少し気持ちが落ち着いて解決の糸口が見えてくるかもしれません。でも、「相手のせいで傷ついているのに、仲裁員なんてできない…」と思われたら、カウンセリングを利用してみるのも一つの方法です。カウンセラーは仲裁員のように提案も裁定もせずお話を伺うことで、相談にいらした方の傷ついた気持ちを落ち着かせて、冷静に状況に向き合うことができるようお手伝いいたします。そして、このカウンセリング体験を重ねていくと、いつの間にか自分で仲裁員の役もできるようになるかもしれません。

参考資料 ノルウェー学校裁判所制度研究会
http://10.plala.or.jp/nfujiok/index.htm


 


神奈川県川崎市二子5-2-1 中興2ビル 2F
copyright(c)2017-2020 ピース・アンド・ホープ カウンセリングセンター