日々のストレスについて-カウンセリング/神奈川県川崎市/ピース・アンド・ホープ カウンセリングセンター




                      TEL/FAX : 044-822-6888





              第22回   日々のストレスについて

 
  



日常にひそむ様々なストレス

 「ストレス」と聞いて、皆さんはどのようなことを思い浮かべられるでしょうか。多くの方が、仕事、人間関係、家庭生活、環境の変化など、日々様々なストレスを体験されているように思います。心理学の研究では、大事な人との別れなど、人生においてストレスになる出来事がいくつか明らかにされています。しかし実は、結婚や出世など、一般的には良いことで、本人にとっても望ましいことと思われているイベントであっても、ストレスとなり得ることが明らかになってきているのです。その一方で、上にも上げたような大きな出来事よりも、日常的に続くイライラの方が、心身の健康状態に影響するという学説も唱えられています。例えば、時間を無駄遣いしているような感じ、同僚が気に入らないなど、日常のちょっとした不満のようでも、長く続くと大変わずらわしく感じられるのではないでしょうか。こういった日常的な「いら立ち事」は、ご本人がどう受け止め、対処されるかによっても、ストレスとしての大きさが変わってきます。


ストレスのおよぼす影響

 ストレスにさらされ続けると人の身体がどうなってしまうのかについては、セリエ(Selye,H)という研究家が、明らかにしています。セリエによると、まず、頭痛、発熱、疲労感、食欲不振、漠然とした不快感、リンパ節や消化器官系の変化などが起こります。これを警告反応と呼んでいます。この状態をそのままにしておくと、そのうちこのような症状や不快感は消え、抵抗力も高まって、元気を取り戻したかのように変わります。しかし、これは一時的な反応にすぎません。この時期は抵抗期と呼ばれています。ストレスがそのまま続けば、長引くストレスに身体が対応しきれなくなり、また初めのような症状が戻ってきてしまいます。

ストレスへの対処

 しかしながら、この現代社会において、ストレスの全くない生活はほとんど不可能だと思われる方も多いのではないでしょうか。だからこそ、ストレスと上手に付き合っていくためには、ご自身に合った対処法をお持ちになることが大切だと思われます。

 例えば、心理学では、ストレスに付き合う力を高めるために、次のような方法が提案されています。①まずは、ストレスのもとになっているものを解消するような方法を、積極的に探してみるようにする。②それでも解消できない場合は、ストレスの「捉え方」を変えてみて、解決に向けた希望を失わないようにする。③つらい気持ちを外に表現したり、ユーモアや笑をうまく使ってポジティブな気持ちに変えてみたりする。④適切な自己主張をしたり、周囲の助けを借りるためのスキルを身につける。⑤心身をリラックスさせるための自分なりの方法を身につける。⑥休養・運動・規則正しい食生活など、ライフスタイルを確立させる。

 何をストレスと感じるか、どのくらいストレスに感じるかは、状況によっても人によっても様々だと考えられます。心身の不調を感じられたら、「こんなことがストレスだろうか?」「つらいのは自分だけではないし…」など過小評価されずに、一度ご自身の状態をチェックされてみてはいかがでしょうか。「どうも調子が悪いようだけれども、どうしてなのかわからない」「自分でも何に困っているのかよくわからないけれど、どことなくつらい感じがする」、あるいは「ストレスのもとはわかっているけれど、どうしたらいいかわからない」という時には、医療機関や相談機関に、一度ご相談されてみるのもよいように思われます。ピース・アンド・ホープカウンセリングセンターでも、ご一緒に状況やお気持ち、対応策を整理するお手伝いをさせていただいておりますので、お気軽にご連絡ください。

【参考文献】
『心理臨床大辞典』 培風館
『新・心理学の基礎知識』 有斐閣ブックス
熊野宏昭 『ストレスに負けない生活』 ちくま新書
 


神奈川県川崎市二子5-2-1 中興2ビル 2F
copyright(c)2016-2020 ピース・アンド・ホープ カウンセリングセンター