認知行動療法について ①認知療法編-カウンセリング/神奈川県川崎市/ピース・アンド・ホープ カウンセリングセンター
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第17回 認知行動療法について ①認知療法編
憂鬱、不安、悲しい、怒り、苛立ち、楽しい、安心…人間には様々な感情がありますが、その感情に影響を与えるのは、その人の認知(物事の捉え方や考え方)です。
認知行動療法は、『認知』や『行動』を柔軟にバランスよくすることによって、抑うつなどの様々な気分の改善や、不安感の軽減を目指します。今号では、その中でも『認知』に注目して、「考え方のクセ」に働きかける『認知行動療法』についてご紹介します。
学生時代仲が良かった友達に、久しぶりにメールを送ったが、数日たっても返信がこないとき、あなたはどんなことが頭に浮かびますか?
〇自分は避けられているのかもしれない
〇相手を嫌な気持ちにさせてしまったかもしれない
〇返事がすぐにこないなんて、非常識だ
〇相手は忙しく、、すぐに返信ができないのかもしれない
このように、一つの出来事に対して受け取り方は様々です。上記のような頭に浮かんでくる考え方を認知行動療法では『認知』と呼びます。一つの出来事に対する認知のあり方次第で、感情は変わってきます。
●自分は避けられているのかもしれない → 悲しい、つらい
●相手を嫌な気持ちにさせてしまったかもしれない → 自責の念、後悔
●返事がすぐにこないなんて、非常識だ → 相手に対する怒り
●相手は忙しく、、すぐに返信ができないのかもしれない → 少しの不安とゆったりした気分
認知療法では、出来事に対する『認知』に着目して、治療者と患者さんが協力して自分の「考え方のクセ」「偏った思考パターーン(認知のゆがみ)」に気づくことからはじめます。次に、自分の認知が偏っている場合には、現実とのズレに注目しながら、自由な視点で他にどんな考え方があるか見直す練習を行い、現実に合う形に少しづつバランスよく整えることによって、抑うつ気分や不安感を緩和し、気分の改善をはかります。
偏った思考パターン(認知のゆがみ)とは
誰もが持っているよくある偏った思考パターンの代表的なものをご紹介します。
〇白黒志向 物事をすべて白か黒で極端にわけようとする考え方
〇悲観的な考え方 うまくいくはずがない…など未来の事を悲観的に考える
〇べき思考 「○○すべき」「○○しなければならない」と考えて、自分の行動を自分で制限して自分を責める
〇極端な一般化 少数の事実を取り上げ、すべてのことが同様の結果になるだろうと結論づける
〇過小評価 うまくいかないことばかりに注目する。成功したことは忘れている
〇根拠のない決めつけ 証拠が少ないままに思いつきを信じ込む
〇自己関連づけ 何か悪いことが起きると、自分のせいで起こったと自分を責める
ご自身に近い思考パターンはありましたか?
認知を変えるだけでは問題がよくならないこともあります。次に何が大事かというと、実際に行動しながら改善することが大事になります。次号の通信では、「行動療法」についてご紹介します。
認知行動療法にご興味のある方は、ぜひピース・アンド・ホープカウンセリングセンターにて受けることができますので、お問い合わせください。
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