アドラー心理学について-カウンセリング/神奈川県川崎市/ピース・アンド・ホープ カウンセリングセンター




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              第11回   アドラー心理学について

 
  フロイトの名前は論理の教科書にも載ることもあり、知っている方も多いと思います。一方、これから紹介するアドラーについては知っている方はほとんどいません。しかし、実はアドラーはフロイトと同じ時代に生き、同じくらい心理学に大きな影響を与えた人物なのです。



アドラーの心理療法

 アドラーは個人心理学を創設しました。個人心理学といっても、特定の個人のみアプローチする心理学ではなく、むしろその逆です。アドラーがその心理学に“個人”と名付けたのはIndividualつまりin(not)+davisible(分けられる)=分割できない存在としての人間、あるいは分割できないものとしての人間集団をテーマとしているからです。そのため、フロイトが考えたように人間のこころを意識と無意識に分けて考えることはしません。アドラーはライフスタイルと呼ばれる人生目標によって人の行動が規定されると考えています。人は自分か無得たい目標に添って人生を歩んでいるのです。アドラーは「その人がなし得たいと思っていることは何か?その目的は何か?」を知ることがとても大切だと言います。そして、アドラーは「「その目的には『社会に貢献したい、社会に所属したい、社会を信頼したい』という欲求が基盤にある」とも言います。この欲求が満たされることによって得られる感覚は共同体感覚と呼ばれます。つまり、人はこの共同体感覚を得る方向に向かって人生を進めているのです。しかし、もし、この欲求を満たすことができなくなると、人は劣等感を抱くようになります。劣等感は様々な心理的な問題を引き起こします。うつ病やひきこもりなども、もしかしたら劣等感が関与しているかもしれません。例えば、うつ病は社会に貢献している感覚が得られないことに、ひきこもりは社会に所属できているという感覚が得られないことにそれぞれ起因していることもあるのです。
 アドラー心理学では、このような心理的な問題が生じた時、その人のライフスタイルの見直しが迫られた時だという風に前向きにとらえ、実際にその作業を行っていきます。「心理的な問題」は、何らかの理由によって今までのライフスタイルでは共同体感覚を得ることが難しくなってきていることを示すサインだからです。然るに、アドラー派の心理療法の目的は目標と信念を方向転換するのを援助することなのです。



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